筑波大学体操部 筑波大学体操部
世界体操祭(GYMNAESTRADA)報告書62015年10月15日 

世界体操祭の報告書、最後の6回目は顧問の本谷 聡先生、長谷川 聖修先生の感想です。


「もの・ひと・おと」がJoint!(ジョイント)

体操部監督 本谷 聡

 

 北欧における最も心地よい季節である7月、私は、筑波大学体操部の一員として15th World Gymnaestrada ヘルシンキ大会に参加することができた。学生時代に参加したベルリン大会(1995年)から数えると5回目の参加である。言うまでも無く、回を重ねる毎にこの世界体操祭の意義や目的、各国からの参加者チームやその指導者の考えについて、現地において肌で感じながらより深く理解できることは、私にとって大きな財産になっている。

 今回は、「フィンランド体操」という言葉があるように、一般体操が非常に普及し盛んに実施されているフィンランド・ヘルシンキにおける大会であったことから、非常に楽しみにしていた。現地に着き、まず感じたのは、事前にイメージしていた大都市の景色でははく、白樺をはじめとした自然が多く、整然とした町並みであった。また、歩いていて出会う現地の人たちは、皆にこやかで気軽に「こんにちは」と声をかけてくれたこともあり、心豊かに暮らしていることを実感することができた。

体操祭では、これまでとほぼ同様に、グループパフォーマンスと日本の夕べにおいて体操を発表した。グループパフォーマンスにおける筑波大学体操部のテーマは「Joint!(ジョイント)」。Gボールとキャンピングマットをジョイントすることで創作された新しい魅力ある運動を中心に構成した一連の体操を発表した。その発表している最中には、現役部員全員で「これらの形や特性が異なる用具をどのように利用し、ジョイントすると魅力的な運動ができるか」などを苦慮しながら挑戦していた日々を思い返した時もあったが、会場からのいつもながらの暖かい声援を満喫しつつ、かけがえのない時間を過ごすことができた。また、おそらく初となる研究室生と卒業生のジョイントチームが長谷川先生考案の光るロープを活用した体操を披露することもできた。それぞれ体操とは違う専門種目を持っている研究室生のいつもと違う姿を見ることができたのも、私にとって良い経験であった。なにはともあれ、今回の15分のグループ発表が、それぞれが役割を持ち、ジョイントすることで完成した体操の演技発表だったと強く感じている。そのためか、3回あったグループ発表は、それぞれ違った特徴を出した意味ある発表だったいえよう。

 最後に、上記のように貴重な経験をすることできたのは、日本体操協会の一般体操委員会の皆様をはじめ、筑波大学体操部卒業生ならびに地域の体操クラブの関係者からのご支援によるものと考える。改めて感謝申し上げる。そして、筑波大学体操部として一緒に同行してくれた27名全員に感謝(キートス!)。

 

  

「猿回し」から始まって

                体操部部長 長谷川 聖修

 

 2011311日東京電力福島第1原発の事故が起き、世界中の人々が「FUKUSHIMA」のその後を見続けている。前回ローザンヌ大会では、日本体操協会のブースにも震災に対する支援金が集まった。その後、ドイツは、脱原発政策が推進され、フィンランドは、放射能廃棄物を無害になる10万年後まで地中に埋めるという壮大なプロジェクトが進められている。

 ある日、猿の縫いぐるみを手回し発電機につけて、回旋運動でランプを発光させてみた。動くことは、消耗ではなく、作り出すことだと感じて、ワクワクした。Exercise でなく Movement を目指すこと。これが、私の「こだわり」だ。

 このことの意図は、世界の体操仲間にまったく通じなかったかもしれない。演出として沢山のLEDを活用した体操演技が披露されていたが、みな電池がエネルギー源だ。昨今のブームと言っても良い。そうした手軽な電池ではなく、面倒な手回し発電機をなわとびとjointさせた意味について問いかけたつもりである。電気は消耗するだけでなく、私たちの運動で作り出せるのだ。話は少々飛躍するかもしれないが、生活を豊かにするはずの電気を生み出すために「原発」を再稼働すれば、地球環境を数十万年にも渡り、危機的状況に陥らせる事実について何も考えなくても良いのだろうか。ヘルシンキに程近いオンカロが私たちに問いかけている。

 ちょっと捻ったり、まわしたりするだけで、あれだけ鮮やかに光るled。手回し発電による「JPNFIN」と発光なわとびは、私にとって、苦労と喜びの入り交じった作品だ。試行錯誤を日々繰り返し、ほとんどが無駄とも思える莫大な工作作業を楽しそうに助けてくれた多くの仲間には、心から感謝したい。だれも挑戦していない課題に取り組み、何かを生み出していくことは体操領域の魅力のひとつだと再認識した。この時代を生きる人として、愚かでもよいので「熱いメッセージ」を発信し続けようと思う。

 随分前から、自宅居間の電灯を消しては、なわ跳びを光らせて遊んでいた。この姿を何も言わずに微笑みながら見守ってくれた、いや諦めていた(?)嫁さんに多謝。また、6月の壮行会で「体育館の電灯が消えたら、なわ跳びが光ったのが面白かった」と笑顔で語ってくれたタッチの子どもたちにも「有り難う」と言いたい。

 

 最後に、「体操部を応援する会」の皆さんの心温かい支援に、唯々感謝するばかりである。



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