筑波大学体操部 筑波大学体操部
Turnfest 報告書 Gute Besserung!2013年5月30日 

Gute Besserung!

檜皮 貴子

 Internationales Deutsches Turnfest 2013の旅がもうすぐ終わろうとしています。薄暗い機内でAirMacに向かい、今回の旅を振り返りたいと思います。ただただ心暖まる瞬間を思い出して一人で微笑んでしまいます。膝の疼きは、満たされた私には全く気にならないことが今回のTurnfestを象徴していると思います。

 さて、今回のドイツ行きを決めたのは2月中旬。5月のこの時期に1週間ドイツに行くことは「清水の舞台から飛び降りる」ような決心でもありました。その決断後、日体大の荒木先生からラートの演技をJapanese Gymnastics and Culture Nightでさせていただけるお話をいただきました。天にも昇るような大変嬉しい瞬間でした。このことは、荒木先生と長谷川先生が私に与えてくださったチャンスと受け止めました。その後、作品を創ることに没頭できる度に生き生きとした感覚を覚え、まさにgemuetlichな時間を過ごすことができました。そして、ラートに加えGボールの合同作品でも動くチャンスをいただき、仲間と練習することがこんなに充実した時間であったことを再確認しながら練習をすることができました。

 今回のラート作品は「DJ(Deutschland und Japan) Combination」というテーマで創りました。1980年後半に長谷川先生がラートをドイツから日本に導入され、そして今に繋がる一つのストーリーです。もっと言及すると、第九(An die Freude)の曲にあわせて、ドイツと日本をつなぐ作品を創りたかったのです。私自身がドイツかぶれであることは自覚していますので、その敬意の気持ちを日本人の私なりに思いっきり込めようと思い、創りました。

 521日(火)SAPアリーナでの本番は、Gボールとラート共に3分に全ての思いを込めて動きました。確かに今ドイツにいることを確認しながら本当に喜びで満ちあふれた時間が流れていました。ただ、演技を全て終えた時には右脚はもう思うように動いてくれない状態になってしまいました。右膝の前十字靭帯と半月板を壊してしまう終末となりました。幸せに満ちた状態から一転、体がついてこない状態を夢のような空間で味わうことになりました。

 怪我をした時は、「なぜ」「やってしまった」「どうしよう」「すみません」のこの言葉が頭の中を回り続けました。

 ただその怪我がきっかけとなり、私は色々教わることになりました。本当に気持ちも体もどうしようもない時に、たくさんの方々から優しい、前向きな支えをいただきました。荷物を運んでくれた方、病院を探してくれた方、移動のために車を運転してくれた方、食事を準備してくださった方、階段を降りるときに手を差し伸べてくださった方、エレベーターまで誘導してくださった方、飛行機の席を代わってくれた方、松葉杖の私に「Gute Besserung!」と声をかけてくださった方。その一つ一つが私の滋養になり、私をまた持ち上げてくれました。どんと落ちた私を救ってくれたものは「人の優しさ」です。4年に1度のTurnenの祭典は、目に映る形のあることのみならず、胸に迫るものが何であるのかを教えてくれたように感じています。

 確かに体は万全ではありませんでしたが、Trunfestでは、ドイツの方々がTurnenとどのように関わり、その文化とともに生活をしているのかを少しだけ一緒に感じることができたと思っています。

 これからがまた勝負です。私自身が体操と共に生きていく中で、自分の中身を耕していく決心がまた一つできた旅でした。痛みを緩和できる「鎮痛剤」のような優しさを持った体操をする人になりたいと思います。人生の全てのことに意味があるということを信じて、今回私を助けてくださった方々の優しい笑顔とお気持ちを支えにしっかりと歩んでいこうと思います。

 お世話になった全ての方々に、Vielen Dank!

 

このDISKからメロディーが流れました

図1.jpg






大会のマスコットちゃんと

DJ 2.jpg









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